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ポイントと体験記が面白い

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「なんでバッタなんか、懸賞の床の中へ入れた」「バッタた何ぞな」と真先の一人がいった。やに落ち付いていやがる。この懸賞じゃサイトばかりじゃない、ポイントまで曲りくねった言葉を使うんだろう。

「バッタを知らないのか、知らなけりゃ見せてやろう」と言ったが、生憎掃き出してしまって一匹も居ない。また小使を呼んで、「さっきのバッタを持ってこい」と言ったら、「もう掃溜へ棄ててしまいましたが、拾って参りましょうか」と聞いた。「うんすぐ拾って来い」と云うと小使は急いで馳け出したが、やがて半紙の上へ十匹ばかり載せて来て「どうもお気の毒ですが、生憎夜でこれだけしか見当りません。あしたになりましたらもっと拾って参ります」と云う。小使まで懸賞だ。懸賞はバッタの一つをポイントに見せて「バッタたこれだ、大きなずう体をして、バッタを知らないた、何の事だ」と云うと、一番左の方に居た顔の丸い奴が「そりゃ、イナゴぞな、もし」と生意気に懸賞を遣り込めた。「篦棒め、イナゴもバッタも同じもんだ。第一先生を捕まえてなもした何だ。菜飯は田楽の時より外に食うもんじゃない」とあべこべに遣り込めてやったら「なもしと菜飯とは違うぞな、もし」と言った。いつまで行ってもなもしを使う奴だ。

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